アロマテラピーという言葉が使われ始めたのは、20世紀初頭からですが、
香りの効能に目をつけ生活の中で取り入れられたのは、今から実に5000年以上も前
から始まっているといわれています。
ではアロマテラピーは時代とともにどう変化してきたのでしょうか?
■古代(紀元前3000年~90年頃)
植物の効能が、宗教儀式やミイラづくりに利用されました
古代エジプトのミイラは有名ですが、このミイラづくりの際、
フランキンセンスやミルラなど防腐効果のある植物が使われ、宗教儀式
でも香りをたく習慣がありました。
クレオパトラがバラの花を入浴や香水に使ったという話も有名です。
また新約聖書のキリスト誕生物語の中では、東方の三賢人がイエス誕生の馬小屋で、
黄金と一緒にフランキンセンスとミルラを捧げたという記述も残っています。
またローマ時代になると50~70年頃に活躍したディオスコリデスという医師が
「マテリア・メディカ」という薬物誌を発表し、博物誌家のプリニウスも77年に大自然
の生態を記した「博物誌」を発表しました。
■中世(11世紀~16世紀頃)
精油の蒸留法が確立されて薬草医学が発達しました
11世紀初頭、哲学者イブン・シーナが精油の蒸留法を確立し治療に応用しました。
これが現在のアロマテラピーの原型となっています
彼の書いた医学書「医学典範」は17世紀頃まで西欧の医科大学の教科書に使われたほどでした。
中世ヨーロッパでは教会や修道院を中心に薬草医学が発達。また十字軍の遠征によって、多くの人々が
東西を行き交い、ハーブや薬草、アラビアの医学や精油蒸留法などがヨーロッパに伝えられました。
また「ハンガリー王妃の水」というエピソードがあり、これは手足が痛む病気を患った王妃が、ローズマリーを
含んだ痛み止めを使用したところ、症状が改善し、その上70歳を超えた王妃に隣国の王子が求婚したといわれています。
そのようなエピソードからこの薬は「若返りの水」と呼ばれました。
そういった時代を経て16世紀には歴史的なハーバリスト(薬草を使って治療を行う人)たちが活躍し、さらに植物学や医学が
発展していきました。
■現代(20世紀~現在)
アロマテラピーという言葉が生まれ、世界に広がっていきます
1931年頃、フランスの科学者ルネ・モーリス・ガットフォセが実験のさなか事故でやけどを負ってしまい、
とっさに目の前にあったラベンダーの精油をかけたところ、みるみる回復したそうです。その体験から彼は
アロマ(芳香)とテラピー(療法)を足した「アロマテラピー」という言葉を造語しました。
アロマテラピーという言葉が生まれると精油はどんどん応用され、フランスの軍医であったジャンバルネ博士は
「Aromatherapy」を発表し、軍医として負傷者たちに精油を使った治療をし、大きな成果を出しました。
マルグリット・モーリーが精油をキャリアオイルに希釈してマッサージするという方法を提唱。
1961年に「the Secret of Life and Youth」を出版し、これがイギリスにおけるホリスティック・アロマテラピーのきっかけ
になりました。その後イギリスではシャーリー・プライスやロバート・ティスランドなどがアロマテラピースクールを開校し、多くの
専門家を輩出。アロマテラピーは現在のように広まっていきました |